百合と烏賊

場所を通じて日本を発信。その他都市伝説、ホラー、雑学、自己啓発についても紹介。

【読書感想文】自分を愛する力 著:乙武洋匡

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自分を愛する力 = 自己肯定感

 

自己肯定感を持てる人 

・自分自信の価値観を持つ

・自分で判断し、信じた道を行く

 

 

【目次】

 

 

読破難易度(文章についての感想)

読書難易度:★(1)読破ペース:1日〜3日)

 

口語的な文章で、非常に読みやすいです。

 

また、乙武氏の体験談ベースで構成されているので、

文章にリアリティ且つ具体性があり、容易に書かれてい場面が

想像できた。

 

本のあらすじと構成

筆者である乙武氏は、両手両足がない状態で生をうけた。

これは障害の中でも、もっとも重度とされる「一種一級」というものらしい。

 

そんな乙武氏が、自分の価値観(彼の言葉に表すと「明るさヒミツ」)

を彼の生涯や経験を踏まえて、記述している。

 

本書は下記3つの経歴(時期)の中から、

起きた出来事を乙武氏の意見とともに書かれている。

 

・子ども時代

・小学生の先生時代

・父親になった時代

  

そして本の末尾に乙武氏と

精神科医の泉谷氏の会話を、対談形式として紹介している。 

 

ここでは乙武氏が漠然と考えていたことを、論理的に解説している。

時間がない方は、最後の部分だけ読んでも、結構な学びになると思う。

 

自分なりの感想・振り返り・インプット 

非常に良き本だった。

 

人間というのは、何もしないと偏見に凝り固まる生物なので、

悪い言い方をいうが、乙武氏にような少数派の人間の価値観や考え方を

定期的に学ぶことが必要だ。

 

こういった類の本を、久しぶりに読んだので、

自分の視野というのが、いつの間にか狭くなっていたのを感じた。

 

下記に、自分が為になったことや、感じたことをメモという感じで

記述しておく。

 

・物事を自分の尺度で考える

嫌われる勇気でも取り上げていたが、

自分が重要だ・好きだと思える価値観を大切にすること。

 

人々は世の中の価値観の尺度で図りがちだ。

 

 例えば、 

・勉強ができたほうがいい

・友達が多いほうがいい

・仕事は真面目に働いたほうがいい

・人には迷惑かけずに謙虚にいたほうがいい

 

どれもこれも、正論といえば正論だが、自分がそういう価値観を

大事にしているかというと、首を縦に振り切れない。

 

上記はいずれも、ある種社会の制約だ。

 

子どもの頃から、そういう価値観を押し付けられて、

なぜ重要なのかということも考えずに、絶対的な道徳のような

ものとして教えられる。

 

自分のほんとうの欲求が、世間一般的にはいけないことなんだと、

思わせることによって、

 

自分がこうありたい ≠ 世間がいうこと

 

の状態ができあがる。

 

これは、自分の可能性を止めることにつながる。

 

でも、よくよく考えれば、世間の価値観など自分には関係ない話であり、

 

人々からどういう目で見られようが、自分が大切にすることを

堂々と気にせず、行動・表現していいのだ。

 

そこには、憲法・道徳上、最低限の公共の福祉を守ってというのが、

前提にあると思うが。(人に迷惑かけない程度で)

 

要は、自分の考えを肯定的に捉え、世間の価値観で測らないこと。

 

この本を通してしみじみと感じた。

 

・自分の力で考える 

 乙武氏の小学生の先生時代に書かれていたエピソードの一つとして、

印象深い&自分が小学生のときもこういうやついたなと思ったことがある。

 

それは、自分で判断できないやつが多かったということだ。

 

・休憩時間なのに、教師に「トイレ行っていいか」と許可を求める。

・ノートの書き方について指示を仰ぐ。

・自分なりの考えが必要になる作文では、何を書いていいかわからず

 何もかけてない子がクラスの半分を占める

 

これは事実だけを淡々と教え、それを丸暗記するという、

今までの日本の教育方法の最大の弊害によるものだ。

 

なぜ、という疑問を持たずに、大人や教師の言うこと守っていた。

言うことを聞いていれば、怒られないからという理由で。

 

これは、子どもたちの生存戦略であって、至極当たりまえな行動なので

子どもたちを責められない。

 

 

あれこれ言う私だってそういう部分はある。

無条件に「専門家」とか「権威の高い人」の言うことをきく

ときもある。

 

だから、自分で考える癖をつける為にも、このブログを通じて

ロジカルに、ある事象に関して、これこれこういう理由から、

自分はこう考えて、このように行動するというのを

表現していきたい。

 

「自分の頭で考え」

 

「自分の判断で動き」

 

「自分なりの答えをだす」

 

当たり前なように思えること事を、

実践している人はどれくらいいるのだろうか。

 

・自己肯定感をもつには

末尾にて、印象に残ったたとえ話があったので、紹介する。

 

大抵の人は大通りを歩いているけど、中には大通りから外れて小径に入ってくる人もいる。大通りを歩いている人は、この道を行けば幸せになれるという確信など持てないのに、みんなが大通りを行くから自分もこっちを歩く。

 

 

一方、小径を行く人は、どっちの方向に行こうか自分ではんだんしながら道なき道を進んでいく

 

 

ここで言う、自己肯定感を持てる人は小径を行く人だが、

小径に行くこと自体が、自己肯定感を持つ人ではない。

 

多数派の人たちの意見や、常識とか道徳とかに影響されず、

自分の指針、すなわちコンパスをもって物事を判断し、行動する人、

 

これが、自分を愛する力を養う方法と解釈した。

 

 

なにか人とは違うことに、普通ではないことに挑戦しようとする人に対して、

否定的な意見を投げかける人もいると思う。

 

そういう人というのは、大多数派の既存の価値観や刷り込みから

思い込んでいるようなものが多い。

 

時代は常に変化する。

30年前の常識と、今の常識はもちろん違う。

また、国や場所によっても変わってくる。

 

 

ということは、多数派の価値観というものは、よくよく冷静に考えて見れば

非常に曖昧なものなのだ。

 

なので、気にすることはない。

どんどん挑戦していくことが大切だと思った。

 

 

自分を愛する力 (講談社現代新書)

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